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香西 直文; 大貫 敏彦; Komarneni, S.*
Journal of Materials Chemistry, 17(12), p.2993 - 2996, 2002/12
本研究では、陰イオン交換粘土の一種であるNi-Zn層状複水酸化物が陰イオン形のセレンに対して非常に高い選択性を持つことを報告する。このNi-Zn層状複水酸化物はブルーサイト型の水酸化物層からなり、層間に酢酸イオンを吸着している。このNi-Zn層状複水酸化物は0.1M NaCl溶液中でSe(IV)に対する非常に高い選択性を示した(Se(IV) 初期濃度1x10 Mにおいて分配係数Kd = 9.0x10 ml/g)。一方、代表的な陰イオン交換粘土であるハイドロタルサイト MgAl(OH)NO・nHOに対するSe(IV)のKdは、同じ条件で6.0x10 ml/gであった。Ni-Zn層状複水酸化物によるSe(IV)の吸着は不可逆的でることが、Se(IV)を吸着させた試料を 1N Cl、1N NO、あるいは1N POを含む溶液で処理したことでわかった。一方、ハイドロタルサイトに吸着したSe(IV)は1M Clを含む溶液にいれることで容易に脱離した。Ni-Zn層状複水酸化物はSe(VI)に対しても高い選択性を示した(Se(VI) 初期濃度1x10 MにおいてKd は2.610 ml/g)。本試料は、廃水からのセレンの除去に有用な材料であると考えられる。